2024年から、パートやアルバイトで働く人の「103万円の壁」が「178万円」に引き上げられることが発表されました。この「壁の引き上げ」が実際どんな影響をもたらすのか、具体的な例を交えながら詳しく見ていきます。
1. 「103万円の壁」とは?
まず「103万円の壁」について少しおさらいしておきましょう。103万円というのは、所得税がかからない収入のボーダーラインです。この収入を超えると所得税がかかり、さらに一定の金額を超えると配偶者の扶養から外れて社会保険料が発生することも。いわゆる「税金がかかりはじめるライン」なので、パートやアルバイトの方の多くがこの103万円を意識して収入調整をしてきました。
2. 壁が178万円に引き上げられると何が変わる?
新しい制度では、この「壁」が178万円まで引き上げられます。これにより、現在よりも自由に働きやすくなります。具体的には次のような変化が期待できます:
- 所得制限を気にせず働ける:103万円を超えた部分の収入にも所得税がかかりますが、178万円までは扶養内に収まることができるため、収入を上げながらも扶養の恩恵を受けられるチャンスが増えます。
- フルタイム近くまで働ける可能性:週4日や週5日、さらには1日8時間のシフトも可能になるため、特に扶養を気にせず収入アップを目指したい方にとって働きやすい環境が整います。
3. メリット
この変更により、パートやアルバイトの方々にとっては大きなメリットがいくつかあります。
メリット例1:収入アップが可能
例えば、年間収入を103万円から178万円に増やした場合、月収で見ても増加幅は6万円程度。年収が上がると生活に余裕が生まれ、家計の安定が期待できます。特に家族がいる方にとっては、少しでも家計の支えになるのは大きなメリットです。
メリット例2:自由な働き方
103万円の枠に収まるためにシフトを減らしたり、調整する必要が少なくなります。自由にシフトを組みやすくなり、「年末だけ働く」など季節に合わせて収入を増やしたり、生活に合わせて働きやすくなるでしょう。
4. デメリットと注意点
一方で、この壁の引き上げにはデメリットもあります。特に税金や社会保険の負担が増える点は考慮する必要があります。
デメリット例1:社会保険料の負担
例えば、年間収入が150万円を超えると、扶養から外れて社会保険への加入が必要になる場合もあります。具体的には、健康保険料や厚生年金の支払いが発生することがあるため、結果的に手取りが思ったほど増えないケースも。
デメリット例2:所得税がかかる
178万円の枠内でも、103万円を超えた分には所得税がかかります。また、住民税も収入が増える分だけ支払う必要が出てきます。
例:月収を10万円から15万円に増やした場合、所得税や住民税、社会保険料の負担で手取りが抑えられるため、実際の手取りアップは思ったほど大きくない可能性もあります。こうしたシミュレーションをして、収入に見合った働き方を考えることが重要です。
5. 実際にどう働けばいい?
壁が引き上げられたからといって必ずしもたくさん働くのが得策とは限りません。税金や社会保険料のバランスを見ながら、自分にとって最適な収入や働き方を検討することが大切です。例えば、次のような点を意識してみましょう:
- 目標収入を設定:178万円ギリギリまで働くのか、社会保険料が発生するラインで抑えるのか、目標収入をあらかじめ決めておきましょう。
- シフトの調整:シーズンごとに多く働きたいのか、年間を通じてコンスタントに働きたいのか、シフトの希望を事前に相談するのも手です。
6. まとめ
今回の「壁」の引き上げにより、働きやすくなる面と税金負担が増える面があるので、これを機に自分にとってのベストな働き方を考えるチャンスかもしれません。収入アップを目指したい方も、シフト調整で生活に合わせた働き方をしたい方も、それぞれのメリットとデメリットをよく考えて計画を立ててみてください。
少しでも働きやすくなり、生活の安定に繋がることを願っています。
